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スイカ 草勢
スイカの草勢(そうせい)を維持することはやや難しいです
着果前からの草勢で、その後の生育の善し悪しが決まります。
草勢とは何か、草勢を維持するために必要なことをまとめました。
草勢はスイカの着果にも関係しますので、こちらもご覧ください。
>>スイカ 着果負担
[スイカ 草勢]
■スイカ 草勢
・草勢とは
植物のつるの勢い、株の勢いとも言われますが、これを草勢と呼びます。
また、草勢の表現をするときは、草勢が強い、草勢が弱い、と言います。
草勢はスイカの育て方にも関係し、
草勢が強い品種であれば、元肥を抑えてつるボケを防ぎます。
草勢が普通、やや強いくらいのほうが育てやすいですので、
育てやすさの目安にもなります。
・スイカの草勢と着果の関係
作物の生長には栄養生長と生殖生長があり、
葉や茎を伸ばすのは栄養生長、実をつけることは生殖生長です。
良い実をつけるためには、葉や茎が生長することが大切です。
栄養生長と生殖生長のバランスを取り、草勢が落ちないようにします。
スイカは1つの株で大きな実をつけます。
その分、実へ栄養を送らなければならないので、着果負担が大きくなります。
着果負担が大きいと、草勢がだんだんと落ちていきます。
草勢が落ちたからといって、追肥や水やりを増やしてしまうと、
実に栄養が送られてしまうので、更に草勢が落ち、枯れてしまうこともあります。
草勢を維持するためには、着果前からの草勢の維持が重要です。
・草勢維持のために
着果した状態で追肥や水やりを行うと草勢が落ちますが、
スイカの草勢は、追肥で管理する、というよりも、元肥で管理します。
元肥として使うのは堆肥、肥料、ですが、肥料よりも堆肥の方が重要です。
というは、スイカは窒素を必要とします。
窒素の吸収のピークは、生育の初期から着果し実が肥大する時期にピークを迎えます。
肥料だけでは十分な窒素が確保できないので、堆肥に含まれる窒素を利用します。
堆肥に含まれる窒素は有機態というもので、
土の中で分解されて、根が吸収しやすい形になります。
・草勢判断の仕方
草勢の判断は、スイカのつるの先端を見ることで判断ができます。
早朝に垂直につる先が上がっている縞王(草勢が強い)
・草勢が強いとき
先端を見ると、つるが太く、地面から持ち上がりが大きいと、草勢が強いです。
空中栽培でも、草勢が強いとつるが真上から45度くらいになります。
この場合は、重なっている葉や不要な孫づるを切るようにします。
・草勢が弱いとき
つるの先端が細く、地面からの持ち上がりが小さく少ないと弱いです。
この時に実をつけてしまうと、実に養分が偏ってしまうので、
着果を遅らせて、葉や茎を育ててから着果させましょう。
早朝につる先が45度くらいの赤こだま(草勢が適切)、肥料は縞王と同量です、
つまり品種によって、元肥を調節するほうが良いわけです
・草勢が適切なとき
太すぎず、細すぎず、地面からの持ち上がりが軽く上を向く程度が適正です。
草勢が適正なときに着果させるようにしましょう。
草勢は着果と実の肥大に関係し、その後の生育にも関係します。
草勢の判断は難しいですが、よく観察してみてください。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
スイカ 炭疽病
マルチングは、病気を予防します
[スイカ 炭疽病]
■炭疽病とは?
炭疽病(たんそびょう)は、葉や実だけでなく、
つるにも症状が出ることのある病気です。
最初は小さな症状でも、放っておくとどんどん広がっていき、
最終的には収穫物にならず、株自体が枯死することもあります。
雨の多くなる梅雨の時期や、秋口に感染することが多いため、
症状や予防法、対処法を知っておきましょう。
■炭疽病の症状
症状は、葉、つる、実に出る可能性があります。
葉は、淡い褐色の小さな斑点がまず出るようになります。
斑点はしだいに大きくなり、色も暗褐色に変わって、
輪を重ねたような輪紋状になっていきます。
病斑部分が乾燥すると破れやすくなるため、
症状の進んだ葉は穴だらけになることがあります。
また、病斑が広がる時に、病斑と病斑がくっついてしまうことがあり、
こうなると病斑もかなり大きなものになっていきます。
つるには、円形や楕円形、アーモンド形の病斑ができます。
病斑は暗褐色をしていて、中心部分が灰褐色になり、
少しへこんだようになります。
果実には、葉と同じような小さな斑点ができるようになります。
斑点は少しくぼみ、黒褐色をしていて、小さな黒い点々ができます。
多湿環境では、病斑からサーモン色のヤニが出ることがあります。
乾燥してくると、病斑部分が裂け、
実に穴があいたようになることがあります。
吊り栽培、空中栽培は、炭疽病を予防します
■炭疽病の原因
病斑に雨や水やりによって水滴が当たり、
そこから菌が飛散して被害が拡大していきます。
密植していたり、過繁茂の状態になっていると、
風通しが悪くなって発生する可能性が高くなる上、
被害が大きくなる可能性も高くなります。
株間は十分にあけて植え付けるようにし、風通しを良くし、
茂りすぎている部分は少し葉を間引いたり、
つるの整理をするなどして、常に風通しに気をつけます。
種子感染していることもあるので、種から育てる場合は、
できるだけ消毒済みの種を使うように心がけます。
炭疽病にかかった植物を育てていた場所には、
被害にあった株や土に菌が残ります。
そのままの状態でまた連作すると、
次に育てたものにも感染しやすくなるため、連作は避けます。
もし炭疽病にかかった株が枯れたら、
そのまま放置せずに掘り上げて焼却処分するようにしましょう。
水はけの悪い場所で育てている場合も、発生の可能性が高くなります。
スイカは元々、水はけのよい土を好み、
水はけが悪く湿気が高くなりがちな環境は苦手です。
水はけのよい土で育てるようにし、泥跳ねなどが起こらないよう、
マルチをしておくようにしましょう。
密植や水はけが悪いと、スイカは元気に育ちにくいです
■炭疽病にかかったら
初期の頃であれば、症状の出ている部分を切って処分するだけで、
それ以上被害が大きくならないことがあります。
日頃から葉やつるの状態をよく観察し、
異変があったら何が原因かをつきとめるようにしましょう。
被害が少し広がってしまっている場合は、
やはり薬剤を散布する必要があります。
アミスター20フロアブルやベルクート水和剤などが有効です。
被害が大きく、すでに実にも症状が出ている場合は、
薬剤を散布しても治癒は難しくなります。
その場合は、できるだけ早めに被害株を抜いて焼却処分し、
他の株に伝染しないようにしましょう。
■参考