スイカ 窒素過多
スイカを育てる時に、窒素過多はできるだけ避けたいです
家庭菜園を始めて間もない方は、あまり聞かない言葉かもしれません。
この窒素過多は、スイカだけでなく野菜全体に関係する問題です。
窒素過多になるとどうなるのでしょうか、
また窒素過多になる原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
スイカ 炭疽病
マルチングは、病気を予防します
[スイカ 炭疽病]
■炭疽病とは?
炭疽病(たんそびょう)は、葉や実だけでなく、
つるにも症状が出ることのある病気です。
最初は小さな症状でも、放っておくとどんどん広がっていき、
最終的には収穫物にならず、株自体が枯死することもあります。
雨の多くなる梅雨の時期や、秋口に感染することが多いため、
症状や予防法、対処法を知っておきましょう。
■炭疽病の症状
症状は、葉、つる、実に出る可能性があります。
葉は、淡い褐色の小さな斑点がまず出るようになります。
斑点はしだいに大きくなり、色も暗褐色に変わって、
輪を重ねたような輪紋状になっていきます。
病斑部分が乾燥すると破れやすくなるため、
症状の進んだ葉は穴だらけになることがあります。
また、病斑が広がる時に、病斑と病斑がくっついてしまうことがあり、
こうなると病斑もかなり大きなものになっていきます。
つるには、円形や楕円形、アーモンド形の病斑ができます。
病斑は暗褐色をしていて、中心部分が灰褐色になり、
少しへこんだようになります。
果実には、葉と同じような小さな斑点ができるようになります。
斑点は少しくぼみ、黒褐色をしていて、小さな黒い点々ができます。
多湿環境では、病斑からサーモン色のヤニが出ることがあります。
乾燥してくると、病斑部分が裂け、
実に穴があいたようになることがあります。
吊り栽培、空中栽培は、炭疽病を予防します
■炭疽病の原因
病斑に雨や水やりによって水滴が当たり、
そこから菌が飛散して被害が拡大していきます。
密植していたり、過繁茂の状態になっていると、
風通しが悪くなって発生する可能性が高くなる上、
被害が大きくなる可能性も高くなります。
株間は十分にあけて植え付けるようにし、風通しを良くし、
茂りすぎている部分は少し葉を間引いたり、
つるの整理をするなどして、常に風通しに気をつけます。
種子感染していることもあるので、種から育てる場合は、
できるだけ消毒済みの種を使うように心がけます。
炭疽病にかかった植物を育てていた場所には、
被害にあった株や土に菌が残ります。
そのままの状態でまた連作すると、
次に育てたものにも感染しやすくなるため、連作は避けます。
もし炭疽病にかかった株が枯れたら、
そのまま放置せずに掘り上げて焼却処分するようにしましょう。
水はけの悪い場所で育てている場合も、発生の可能性が高くなります。
スイカは元々、水はけのよい土を好み、
水はけが悪く湿気が高くなりがちな環境は苦手です。
水はけのよい土で育てるようにし、泥跳ねなどが起こらないよう、
マルチをしておくようにしましょう。
密植や水はけが悪いと、スイカは元気に育ちにくいです
■炭疽病にかかったら
初期の頃であれば、症状の出ている部分を切って処分するだけで、
それ以上被害が大きくならないことがあります。
日頃から葉やつるの状態をよく観察し、
異変があったら何が原因かをつきとめるようにしましょう。
被害が少し広がってしまっている場合は、
やはり薬剤を散布する必要があります。
アミスター20フロアブルやベルクート水和剤などが有効です。
被害が大きく、すでに実にも症状が出ている場合は、
薬剤を散布しても治癒は難しくなります。
その場合は、できるだけ早めに被害株を抜いて焼却処分し、
他の株に伝染しないようにしましょう。
■参考
スイカ つる枯病
[スイカ つる枯病]
■つる枯病とは?
つる枯病とは、カビの一種である菌が侵入して起こる病気です。
ウリ科の植物で多くみられ、スイカでも多くみられます。
放っておくと大事なつるが枯れ、全体が枯れてしまいます。
病気にかからないような環境を作り、薬剤散布などで予防することが大事です。
スイカ モザイク病
アブラムシの駆除が、モザイク病予防になります
モザイク病とは、名前の通りモザイク症状が出る病気です。
ウィルスに感染して起こるこの病気は、
発病すると治療ができないため、とても厄介な病気です。
栽培のどの段階でも感染する可能性があります。
スイカ つる割れ病
接ぎ木苗は、病気に強いです(紅こだま接ぎ木苗)
[スイカ つる割れ病]
■つる割れ病とは?
つる割れ病は、ウリ科の植物がかかりやすい病気で、
スイカも例外ではありません。
名前の通り、つるが割れたようになり、
それが原因で水分や養分の供給ができなくなってしまいます。
最初は少し元気がない程度だったものが、
数日のうちにどんどん弱って枯れていってしまいます。
キュウリ、ゴーヤ、メロンなどウリ科の植物が、
つる割れ病にかかりやすいです
■つる割れ病の症状
ごく初期の段階であれば、少し元気がない、
生育が少し遅れてくるという症状が出始めます。
そのまま病気になっているのに気付かずに放置していると、
気温の高くなる日中に葉やつるが萎れたようになります。
日中に萎れたようになった葉やつるが、夕方~夜にかけて元に戻り、
また翌日の日中になると萎れたようになります。
この状態を数日繰り返した後、枯れてしまいます。
つるに赤褐色のヤニが出たり、白いカビに覆われたようになり、
それが乾くとぱっくりと割れてしまいます。
この症状はつるのどの部分に出てくるか特定することはできません。
病気にかかった株を抜いてみると、根の色が茶色くなっています。
また、つるを切ると、つるの中心が、
根と同じように茶色くなっていることが多いです。
■つる割れ病の原因
つる割れ病の原因となる菌は、カビの一種です。
この菌が根の先端から内部に入り込み、症状を引き起こします。
一度、つる割れ病を発症した場所には、
菌が土の中に5年は留まるため、消毒をする必要があります。
つる割れ病の発症が判明できずに枯れた株を処分した翌年に、
またスイカなどのウリ科の植物を連作すると、
病気にかかりやすくなります。
酸性土壌や窒素過多の状態で発症しやすくなるので、
種まきや苗を植え付ける2週間ほど前には、
必ず苦土石灰などで酸度調整をし、窒素分は控えめにします。
また、地温が20度以上の状態で長雨が降り、
その後晴天になって乾燥すると、一気に症状が進む傾向があります。
■つる割れ病にかかったら
つる割れ病は、葉が萎れる症状が出て数日のうちに枯れるため、
気付いた時には手遅れになっていることが多い病気です。
そのため治癒が難しく、症状が出てしまった後は、
その年の栽培を諦めるほかありません。
ただし、そのまま放置しておくと、
長い間病原菌が土中に残ったままになるので、
病気にかかった株を育てていた周辺を消毒しておくようにします。
発病した株も、そのまま植えたままの状態で放置せず、
株ごと引き抜いて処分します。
また、株を処分する時は、土に混ぜ込んだりせずに、
必ず焼却処分しましょう。
土に混ぜ込んでしまうと、菌がそこに残る要因となります。
菌は土の中の比較的浅い場所に潜んでいることが多いため、
太陽光の熱を利用した消毒法や、熱湯を使った消毒法が使えます。
土壌を消毒したとしても、できれば数年の間は、
ウリ科の植物を連作しないようにした方が安全でしょう。
連作する必要がある場合は、カボチャやユウガオを台木とした、
接ぎ木苗を育てると、つる割れ病にかかりにくくなります。
■参考