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四角いスイカ
[四角いスイカ]
スイカといえば、真ん丸の形を思い浮かべます。
ところが、近年はなんとも不思議な、
四角いスイカが販売されているのです。
四角いスイカとはいったいどういうものなのでしょうか。
■四角いスイカの味
四角いスイカは、実が小さいうちに四角い専用容器に入れることで、
実が大きくなった時に容器の形になるようにされたものです。
食用としてではなく、ディスプレイ用として販売されることが多く、
実は基本的には未熟果になります。
熟していないため、切って中を見てみると、
まだ赤い部分が少なく、味もおいしくはありません。
味わうためのスイカでは、ないのだそうです。
ところが、未熟果であるために、涼しい室内などで管理すれば、
数か月はもつのが魅力です。
見た目も珍しくておもしろく、日持ちもするとなれば、
鑑賞用=ディスプレイとしては優秀です。
■四角いスイカの作り方
四角いスイカだけでなく、ハート型や星形のキュウリなど、
本来の形とは違った状態で売られている、
野菜を時々見かけるようになりました。
四角いスイカも、星形のキュウリも、
実がまだ小さいうちにアクリル製の専用容器に入れて育てます。
実が肥大していくうちに、徐々に専用容器の形に変わっていくのです。
キュウリをハート型や星形にする容器は、
インターネットやホームセンターなどでもよく見かけます。
ところが、スイカを四角くする容器は、今のところ市販されていません。
スイカはキュウリと違い、とても実が大きくなります。
しかも品種によって大きさが少しずつ違うため、
育てるスイカに合ったサイズの容器を使う必要があります。
また、容器よりも大きくなろうとする実の力を抑え込むため、
肥大する力に耐えられる頑丈さが必要になります。
さらにスイカは実にも太陽の光を当てることにより、
あの美しい縞模様が浮き上がります。
そのため容器は透明でなくてはいけません。
総合すると、透明のアクリル製の専用容器を作り、
そこに実が小さいうちに入れて育てるということになります。
容器は市販されていませんので、
個人でどうしても四角いスイカを作りたいという場合は、
アクリル加工をしている会社に依頼が必要となります。
星形のキュウリ
■四角いスイカの値段と購入
それでもどうにかして四角いスイカを手に入れたい! という方は、
やはり販売している店舗で購入するのが確実です。
百貨店などで数量限定で販売されていることもありますが、
一般の方はインターネットで購入する方が確実かもしれません。
四角いスイカは、育てたスイカの2割~3割ほどしか、
出荷できる状態にならないそうです。
生産量自体が限られているため、
1玉10000円以上となかなかのお値段です。
しかも取扱いのある店舗にも限りがあり、
1店舗あたりが抱えている在庫数も少ないことが多いです。
高くてもディスプレイとしては人気がとても高いため、
発売後はあっという間に売り切れになることも少なくないとか。
販売している店舗を見つけたら、
すぐに購入しておくようにするか、あらかじめ予約しておくと安心です。
スイカの害虫
スイカには様々な害虫がつきます。
葉を食害するもの、汁を吸うものなどなど。
食害されて葉の数が少なくなれば、
それだけ光合成が難しくなり、株が弱ります。
吸汁する害虫も、数が増えれば株が衰弱し、
病気を媒介することもあるのでとても厄介です。
発生時期もバラバラで、年に何度も発生する害虫もいます。
完全に防除するのは難しいですが、防虫ネットを使ったり、
葉などをこまめにチェックしたり、専用の薬剤を散布するなど、
できるだけ被害がでないように工夫しましょう。
[スイカの害虫]
■食害系
・ウリハムシ
茶色っぽいオレンジ色をした甲虫がいたら、ウリハムシかもしれません。
成虫は主に葉を食害し、幼虫は根を食害します。
ウリハムシに食害された葉は、丸い穴が開いていたり、
丸い線が入っていたりするので、すぐに分かります。
どこからともなく飛来し、気付かないうちに、
繁殖してしまうことが多いので注意が必要です。
越冬した成虫が春に活動を始め、卵を産みます。
その卵から孵化した幼虫がまた成虫になるのが7月~8月頃です。
生育初期の段階で、著しく葉を食害されたり、
根を食害されてしまっては、スイカはうまく育ちません。
発見したらすぐに捕殺したいところですが、
少しの衝撃や人の気配で、すぐに飛び去るので捕殺が難しい虫です。
朝の早い時間帯であれば、動きが緩慢になるので、
葉をチェックして成虫がいたら捕殺するようにしましょう。
また、専用の薬剤を使うことにより、防除することもできます。
・ウリキンウワバ
ウリキンウワバは蛾の仲間で、成虫は特に問題ありません。
問題は幼虫です。
幼虫は主に葉を食べて育ちますが、
ウリキンウワバはその生態が少し変わっています。
孵化したばかりの小さい幼虫のうちは、
葉の裏側から食害しますが、だんだんと大きく育ち、
蛹になる直前になると、今度は葉の付け根を狙います。
葉と葉柄とをつなぐ葉脈を数本かじり、意図的に葉を萎れさせるのです。
幼虫は萎れた葉の中に潜み、数日のうちに最後の食事をして蛹になります。
病気というわけでもないのに、萎れる葉が何枚も出てきたら、
ウリキンウワバの幼虫が潜んでいる可能性があります。
発生は8月~9月頃が多いので、
その時期になったら葉のチェックを行いましょう。
幼虫は体に角のような突起がたくさん出ていて、
トゲトゲと変わった姿をしているので、色は緑色ですが発見しやすいです。
幼虫を発見したら、専用の薬剤を散布するか、捕殺するようにしましょう。
・ウリノメイガ
こちらも蛾の仲間で、幼虫が葉を食害します。
ウリノメイガは年に4回ほど繁殖時期があり、
6月~10月の間に断続的に発生します。
この期間はスイカの栽培期間と、
ほぼ重なっているので、常に注意が必要になります。
特に8月~9月にかけての被害が大きく、
ちょうど収穫時期と重なるので、チェックを怠らないようにします。
孵化してすぐの頃は、葉の裏側から食害が始まりますが、
大きくなってくると葉を巻いた中に潜むようになります。
小さいうちでも、大群に食害されれば草勢は弱まりますし、
大きくなって葉を巻き始めてしまえば、
葉ごと取り除いて処分することになります。
専用の薬剤を使用して防除するか、
細かくチェックをして地道に捕殺するようにしましょう。
アブラムシもウイルスを媒介するので気をつけます
■吸汁系
・ワタアブラムシ
冬の間は、別の植物に卵の状態でくっついて越冬し、
春になると孵化してどこからともなくやってきます。
アブラムシ類はどれもそうですが、飛来してきたのが一匹であっても、
放置していればあっという間に繁殖してしまいます。
イモムシのように、葉をむしゃむしゃと食害することはありませんが、
小さな体でも大群で汁を吸われるとなると、
どんどん株の養分が吸い取られ、弱ってしまいます。
葉の裏や生長点の柔らかい新芽などによくつくので、
時々チェックするようにしましょう。
見つけ次第、粘着テープなどで捕殺するか、
専用の薬剤を散布して防除するようにしましょう。
・ハダニ
ハダニもアブラムシと同じで、
どこからともなくやってきて食害と繁殖が始まります。
とても小さい虫なので、目視ですぐに見つけることは難しいです。
葉の裏にくっついて汁を吸いながら繁殖し、数を増やしていきます。
葉がかすり状になったり、表面に糸を張ったようになっていたら、
ハダニの仕業かもしれません。
こちらも繁殖力がとても強いため、
放置していると大変なことになってしまいます。
見つけ次第、専用の薬剤で防除するか、
被害が少ないうちに被害のある葉のみを、
取り除いて処分する必要があります。
ハダニは高温、乾燥した環境を好みますので、
時々霧吹きなどで葉水を与えると、予防になります。
・オンシツコナジラミ
オンシツコナジラミは、暖かくなった頃から秋頃まで発生が続きます。
葉の裏に白っぽい小さな虫がいたら、オンシツコナジラミかもしれません。
葉を吸汁するところは、アブラムシやハダニと同じです。
繁殖力も強いので、放置しているとどんどん増えて、
株が弱って枯れてしまうこともあります。
この害虫がついた時、一番厄介なのが病気を媒介することです。
オンシツコナジラミの排泄物をエサとして、
今度は菌が繁殖して症状を引き起こします。
すす病などがその代表的な例で、これにかかってしまうと、
葉だけでなく実まで黒くなってしまうことがあります。
虫自体は、目に見えないほどの小ささではありませんが、
粘着テープなどを使っても、完全に駆除するのは難しいです。
発生を確認した場合は、専用の薬剤を使って防除した方が確実です。
*写真は取材中です。
*害虫や病害の情報・写真は、全国農村教育協会さまが詳しいです。
http://www.boujo.net/