人気の投稿とページ
スイカ 着果したら
スイカ 着果したら
スイカを育てていると、苗や実が大きくなる段階ごとに、喜びがあります。
苗を植え付けた後、つるが伸びて葉数が増えてくるだけでも嬉しいですし、
その後に摘芯をしてつるの本数が増えると、
本当に子づるが出てくるのだと感動すら覚えます。
その後、順調に生育していくと、待望の雌花と雄花が咲き、うまくいけば着果します。
すでに小さなスイカの姿をした小さな小さな実は、眺めているだけで幸せですね。
しかし、幸せにひたっているだけでは、おいしいスイカを収穫できません。
スイカが着果したら、するべき作業には何があるのでしょうか。
[スイカ 着果したら]
■スイカ 着果したらするべき作業は?
スイカは着果した後、そのまま放置していても育つことの方が多いです。
けれど、少し手をかけることで、大事な実を裂果から守ったり、
大きく育てたりすることができます。
着果した後すぐにできる作業は2つです。
ぜひ実践して、おいしいスイカを育ててください。
・夜間の温度管理
スイカが着果した頃、日中と夜間の温度差が激しいと、
裂果を起こしやすくなることがあります。
日中、気温の高い時間帯は、実の外側の温度が高くなります。
日が暮れると、外気温が下がってくるとともに、
今度は外皮に近い部分の温度が下がり、実の中心の温度が高いままになります。
スイカは高温を好む植物のため、気温が低い状態ではうまく生育できません。
夜間という短い間であっても、実の外側と内側とで温度差ができると、
生長スピードにも差が生まれるようになります。
実の内側の温度が高いと、内側の生長が良くなるため、膨張します。
外皮は温度が低くなるので、内側の生長に追いつけず、外皮が割れて裂果します。
また、外側と内側との温度差による生長差によって、
糖度ののり方にも違いが出やすくなります。
一般的なスイカであっても、中心に向かって糖度は上がります。
けれど、あまりにも差が出ると、
中心は甘くても外側に味のない、風味の落ちるスイカに育ちます。
雨や天候不順、近年の異常気象などにより、急激に気温が下がることもあるので、
着果後は保温をしておくのがお勧めです。
日中は気温が高くなるため、トンネルやハウスの換気をしていても、
日が暮れるまでに閉めておくと、夜間の気温低下が緩和されます。
露地栽培では、ワラや腐葉土でマルチをしたり、
ホットキャップで、保温をしましょう。
ワラを敷くと保温、泥はねを防止します
・摘果
着果した時、同じ株で他にもたくさん実がついていると、養分が分散して、
うまく肥大しなかったり、味の薄いスイカに育ちます。
着果すると、スイカは葉やつるに溜めた養分を一気に実の方へ流し始めるため、
株の生長が悪くなります。
そのため、着果した実をそのままにしておくと、
たくさんの養分が実へと回るため、つるの伸びや葉の元気が失われます。
着果してすぐは、草勢もある程度は保たれますが、実が徐々に大きくなるにつれ、
つるを伸ばしたり、葉を茂らせるための力が足りず、生育不良に陥ります。
着果後に草勢が急激に弱まると、その分光合成量が落ちる原因にもなりますし、
弱った株ではおいしい実を育てられません。
縞王の摘果、左は大きくなりすぎですが割と美味しかったです、右は漬け物で旬の味を楽しめました
これを回避するために、摘果を行いましょう。
摘果の作業は、受粉作業を行った7日~10日後が適切です。
これより遅くに摘果を行うと、草勢が弱りやすくなります。
一度弱まった草勢は、なかなか調子の良い時のようには戻せません。
調子を崩す前に、摘果をしておきましょう。
摘果する時は、変形果や奇形果、傷のある実を摘むようにします。
この2個のうち、楕円形のほうを残します
1株1果収穫の場合は、キレイな円形をしているものより、
やや楕円になっているものの方が、今後の生長が見込めます。
最終的に複数の実が残り、選ぶのが難しい場合は、実の大きさで決めると良いでしょう。
1株2果収穫の場合は、変形果などを取り除くのは同じですが、
サイズが大きいものから順に残すのではなく、サイズがそろっている良い実を残します。
残した実にサイズ差があると、
生長が進んでから小さい方の実が負けてしまうことがあるためです。
できるだけ傷のないもの、形がキレイなものを選びつつ、
サイズの揃いにも注目して摘果しましょう。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培