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スイカ 挿し木できる?
挿し木で増やせると効率的ですね
スイカ栽培では、伸びてきた脇芽の中で生育の良いものを残し、
あとは摘み取る脇芽かきの作業があります。
あるいは、ある程度伸びてきたツルの先端を摘み取る、
摘心という作業を行うこともあります。
いずれの場合も、若いツルやツルの生長点を摘み取るため、
土に挿したらそのまま生長しそうに見えます。
スイカ栽培では、こういった挿し木が可能なのでしょうか。
[スイカ 挿し木できる?]
■挿し木とは?
挿し木とは、園芸用語の1つで、対象の植物の株の一部を切り取り、
それを水や土に挿して発根させ、株を増やす技術です。
挿し木、あるいは挿し芽とも呼ばれます。
園芸初心者の中には、挿し木や接ぎ木といった言葉が聞きなれないため、
混同する方が多いようです。
まずは、挿し木と接ぎ木の違いを確認しましょう。
・挿し木と接ぎ木
挿し木は、株の一部を切り取り、それを水や土に挿して発根させる方法です。
対して接ぎ木は、簡単にいえば台木と穂木をくっつけて苗を作る方法です。
挿し木は1つの株で行えますが、接ぎ木は2つ以上の株が必要になります。
挿し木は株数を増やすのに適した方法で、
接ぎ木は台木と穂木の特性を生かす方法です。
そのため、挿し木は元の株の特性をそのまま引き継いだ株に生長しますが、
接ぎ木は台木と穂木の両方の特性を出すことができます。
接ぎ木にすることで、台木の病気の強さや根張りの良さ、
穂木の実付きの良さやおいしい実を収穫できるといったメリットが生まれます。
・接ぎ木の種類
接ぎ木にも種類がいくつかあり、
代表的なものには「割り接ぎ」や「挿し接ぎ」「呼び接ぎ」などがあります。
スイカ栽培では、割り接ぎが行われることが多いです。
割り接ぎは、台木と穂木をそれぞれ播種して発芽させ、
台木の双葉の中心にナイフを入れて切れ込みを入れます。
穂木の方は、胚軸を切り取り、芽がついている方の切り口をクサビ形に整え、
台木の切れ込みに挿し込んで固定し、接いだ部分が活着した後は育苗して定植します。
■スイカ 挿し木できる?
スイカには、固定種とF1種とがあります。
一般的に、F1種の親からとった種を播いて育てても、
親と同じ性質のものは育たないといわれています。
対して固定種は、種を採取して何代続けて栽培しても、
親と同じ性質のものが育ちます。
挿し木をした場合、種と違って世代が変わっていないので、
理論上、挿し穂を取った株と同じ性質のものが育ちます。
スイカの場合も同じで、F1種であっても、挿し木で増やした場合には、
元の株と同じ性質に育ちます。
ここで問題になるのが、スイカに挿し木が可能かどうかです。
スイカには、胚軸切断挿し木法と呼ばれる挿し木法があります。
これは、播種して発芽した後、本葉1.5枚~3枚のうちに胚軸を切り、
挿し木を行うという方法です。
特定の時期にこの挿し木を行うことで、
無菌状態だった芽に微生物を住まわせることができるようになるといわれています。
微生物が住んでいる芽は、病気に強くなるというメリットがあるため、
近年はこの方法を実践する方が増えているそうです。
けれど、これは発芽してそれほど時間の経ってない苗を利用した挿し木法です。
株を増やすというよりは、
どちらかというと微生物を株の内部に取り込むことが目的となっています。
スイカを栽培している時に、ツルや生長点を摘み取って挿し木にするのとは、
また少し異なっています。
実際、大きく育ってから挿し木したツルは、発根力が低いのか、
あまり挿し木の成功率は高くありません。
さらに、スイカは高温を好む植物です。
脇芽やツルの生長点を摘んだものを挿し木にしても、その後の生育が追い付かず、
実が大きくなるまでに気温が低下することも多いです。
ハウスやトンネルなど、保温設備が完備されているのであれば、
まだ望みはありますが、たいていはうまくいかず枯れることが多いです。
だからといって、絶対に挿し木が成功しないとも言い切れません。
チャレンジすること自体は無駄ではないので、
品種や挿し木のやり方、発根後の栽培法などを変えながら、
挿し木が成功するまで挑戦するのも良いでしょう。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培