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スイカ カリウム欠乏
スイカは家庭菜園でも育てられる品種が多く、子供も大喜びです
スイカを育てる時には、日光や水、そして養分が必要となります。
養分はスイカ自身が光合成することでもできますが、土からも吸収して補います。
この時、足りない要素があると、欠乏症となるので気遣って育てましょう。
スイカ栽培でカリウムが足りない状態になると、どのような症状が出るのでしょうか。
カリウム欠乏の原因や対策をまとめました。
[スイカ カリウム欠乏]
■主な症状
・葉の縮れと巻き
スイカがカリウム欠乏になると、葉に症状が出ます。
正常なスイカの葉は、表面がなめらかで凹凸がほとんどありません。
ところが、カリウム欠乏になると、葉脈以外の部分が縮れたようになり、
表面が細かく凸凹とした状態になります。
また、葉が内側(裏側)に巻くような葉巻き症状も見られます。
症状は、下位葉から発生し、徐々に上位へと広がっていきます。
・葉の黄化
葉の縮れや巻きとともに出やすいのが、葉の黄化です。
カリウム欠乏になると、葉がだんだんと黄色っぽく変色していきます。
しかも、葉全体が黄色くなるのではなく、
葉脈の部分以外が黄色くなるので、非常に目立ちます。
残った葉脈の部分は、正常な葉色よりも濃くなります。
さらに症状が進むと、黄変した部分の色がさらに抜けた後、
白っぽい縁取りのある褐色の斑点が浮いてきます。
この斑点の部分は壊死しているため、機能が戻ることはありません。
■主な原因
・砂地栽培
スイカは、もともと砂漠地帯で自生していた植物のため、
砂地で栽培されることがあります。
ただし、砂地は素人にはやや扱いにくい点があります。
砂地であるため、水はけは抜群に良いのですが、
その分保水力や保肥力が弱いのです。
そのため、カリウムを保持する力も弱く、
カリウム含有量が低下することも多々あります。
・塩類過剰
土中の塩類濃度が高いと、カリウムが十分に含まれていたとしても、
吸収できずにカリウム欠乏となる場合があります。
塩類は蓄積されることがあり、特にハウス栽培などでは蓄積されやすいので、
対策が必要となります。
・吸収が足りない
スイカは、実が大きくなる時にカリウムを多く必要とします。
なので実の肥大スピードとカリウムの吸収量のバランスが悪くなると、
葉に溜めたカリウム分を果実に移行させるため、カリウム欠乏の症状が出ます。
他にも、過湿などによって根の調子が悪くなると、
養水分をうまく吸収できなくなり、カリウム欠乏の症状が出ます。
スイカの葉をよく観察することが、美味しく大きな実を作ります
■対策
・葉面散布
カリウム欠乏の症状が出たら、応急処置として葉面散布が有効です。
硫酸カリウム1%の水溶液を葉面散布し、様子を見ます。
また、着果した実が肥大してくる直前に、カリウムを追肥しておくと、
実の肥大によるカリウム欠乏が予防できます。
・塩類濃度を下げる
土の中にカリウムが十分にあっても、
塩類濃度が高ければ、カリウムが吸収できずに欠乏症となります。
土中の塩類濃度を下げるためには、水によって流すのが効果的です。
栽培中は適度に灌水し、栽培が終わって次の栽培が始まるまでの間、
水を流して濃度を下げておきましょう。
特にハウスなどの施設内は、雨が降っても水が流れてこないため、
塩類が蓄積されやすくなります。
意識的に水を流すことで、濃度を下げることができます。
ただし、栽培中は過湿にならないよう、灌水量には注意してください。
他にも、休閑期に栽培する作物でクリーニングクロップと呼ばれる、
植物を育てて塩類を吸収させる方法によって、塩類濃度を下げる方法もあります。
塩類濃度を下げるのであれば、ソルガムやギニアグラスがお勧めです。
■判断基準
葉色が黄色っぽくなり、壊死斑が出てくると、
表面がまだら模様になるため、ハダニ被害の症状と似てきます。
この時、葉の裏をよく観察し、小さな黒い点々が動いているかいないかで、
判断できます。
小さな黒い点々が動いていれば、
それがハダニなので、ハダニ被害と断定できます。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培