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スイカ ハダニ対策
ハダニは体長が1mmにも満たないとても小さな虫で、
スイカなど野菜類の葉の裏に寄生して汁を吸います(画像はナスの葉)
数が少ないうちは、多少汁を吸われる程度なら問題ありませんが、
ハダニの数が増えて吸われる汁も増えると、樹勢が落ち、
最終的にはスイカが枯れてしまうこともある厄介な害虫です。
薬剤に対して抵抗力を持ちやすい性質があるため、
駆除の時にも工夫が必要になりますのでご説明していきます。
[スイカ ハダニ対策]
■ハダニの被害
ハダニにはたくさんの種類があり、
その中でもナミハダニやカンザワハダニといった種がスイカにつきます。
ナミハダニは黄緑色の体で、カンザワハダニは赤っぽい色をしています。
どちらも体がとても小さいので、
少数が寄生しているうちは、ほとんど見つけることはできません。
ハダニは繁殖力が強いため、どんどん数を増やしていきます。
数が増えてくると、葉にかすり状の白っぽい斑点が出き始めます。
この頃に葉を裏返してみると、ごくごく小さな虫が動いているのが分かります。
ひどい場合は、クモの巣を張ったように糸だらけになっていることもあります。
ハダニは高温乾燥している環境を好み、スイカが好む環境も同じです。
そのため、見逃していると爆発的に数が増えてしまい、
あっという間に苗が枯死することもあります。
ハダニはスイカだけに寄生するわけでなく、色々な植物に寄生します。
ハダニの寄生が増える理由の1つに、
スイカを育てているすぐ近くに雑草がたくさん生えていることがあります。
特にカタバミやホトケノザを代表する雑草についていることが多く、
そこで大繁殖したハダニがスイカに移動してくるといった状態です。
ハダニの被害が出た後は、すぐに完全に駆除するのは難しいものです。
けれど、数が少ないうちであれば、できることはたくさんあります。
薬剤散布に抵抗がある方でも、簡単な方法で被害が軽減できることもあるので、
まずは被害の出ている葉がないかのチェックを行うようにしましょう。
■ハダニの対策
ハダニ類は、予防のために高温乾燥の環境を作らないようにします。
もし発生した場合には、すぐに対処することで被害を軽減できます。
また、薬剤を使用する時にはコツがあるので、参考にしてみてください。
・葉水で予防
ハダニ類は高温乾燥の環境を好みます。
つまり、その反対の環境を作ることで、予防につながります。
ただスイカの場合は、スイカ自身が高温乾燥の環境を好むため、
むやみに水をまくことはできません。
そんな時は、便利で簡単な方法として葉水があります。
ホースの先をシャワー水流にしたり、噴霧器に水だけを入れ、
葉の裏に水をかけるようにします。
水をかけることで、湿度を上げ、こもっていた熱も下がるので、
高温乾燥の状態を和らげることができます。
噴霧器は噴き出し口の散水調節ができるものがお勧めです。
手動のものならあまり高くありませんし、気軽に葉水を与えることができます。
・繁殖場所を減らす
雑草がたくさん生えている場所は、ハダニが繁殖しやすい場所になっています。
できればスイカを育てている周りにはえている雑草は、
抜いてすっきりさせておいた方が、ハダニが無暗に繁殖せずに済みます。
近くで雑草があまり生えないように、2メートル四方の畝をたて、
ビニールマルチで覆っておくのも効果的です。
地温もあげられ、余分な水分を土が吸い込むのを防ぐこともできます。
葉水や強いシャワーが効果的です(画像はトマト)
・シャワー攻撃
まだ症状が軽いうちは、シャワー水流での攻撃で退治できることがあります。
水流はシャワーでもストレートでも良いですが、
ハダニが吹き飛ぶくらいの強さにしておくことがポイントです。
1日に朝と夕方の2回行うことで、徐々にハダニが減っていきます。
葉水と同じような効果もあるので、撃退+予防といった状態です。
1回で撃退することはできませんが、3~7日も続けていると、かなり減ります。
どうしても薬剤を使うのに抵抗がある方、
育てている数が少なく簡単にできる方法を探している方は、
一度試してみると効果を実感できます。
空中栽培にするとハダニがつきにくいです
・薬剤散布
ハダニに効果があり、スイカの登録がある薬剤は多いです。
その理由は、ハダニが薬剤抵抗をつけやすいためです。
新しい薬剤を使わなければ、薬剤散布しても効果が出ないこともあるのです。
使える薬剤には、アーデント水和剤、コロマイト水和剤、
スターマイトフロアブルなどがあります。
中には、粘着くん液剤やムシラップなど、
デンプンや食品添加物からできている薬剤もあります。
こういった薬剤は、ハダニに抵抗性をつけることが少なく、
食品由来なので安心感があります。
ハダニは発生しやすい時期に薬剤を散布し、
ある程度被害を抑えた状態にしておくと、
栽培後半になってからの被害を抑えるのも楽になります。
だいたい苗を定植してから受粉するまでに薬剤を使用して被害を抑え、
その後は発生した場所のみ駆除を行うようにします。
また、薬剤を散布する時、その薬剤の使用方法を必ず読むようにします。
薬剤によって使用できる回数が違うため、複数回使えるものもあれば、
1回しか使えないものもあります。
また、抵抗性をつけないために、
複数の種類の薬剤をローテーションで使うのがポイントです。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方