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紅孔雀
紅孔雀
紅孔雀(べにくじゃく)は、ナント種苗が改良して作った、大玉スイカの品種です。
ナント種苗からは色々な種類のスイカが出ていますが、
その中でも特にナント種苗が推している大玉スイカ品種の1つです。
そんな紅孔雀が持っている特徴と魅力、栽培のコツをご紹介します。
[紅孔雀]
◎甘くて大きいスイカ
紅孔雀は肥大力に優れているため、大玉の中でも大ぶりになる品種です。
平均して8kg~10kgの実が収穫できるので、
1玉でも大人数に対応できるくらいの十分なサイズを誇ります。
形は正球形にキレイに整い、緑と黒の縞模様もはっきりとしていて、
色がやや濃い目なのも手伝って、とてもかっこいい外見をしています。
中の果肉は色が鮮やかで、美しい桃紅色をしています。
果肉は硬めでシャリ感が強く、シャクシャクと食べ応えのある食感です。
糖度も高く、13度くらいまで上がります。
一般的には10度以上あれば甘いスイカといわれるため、
13度となるとかなり強い甘みを持っているということになります。
◎草勢が安定していて秀品率が高い
紅孔雀は草勢がやや強めですが、初期から中盤にはやや大人しいくらいで、
中盤から後半にかけてぐんと強くなっていきます。
栽培中盤はちょうど交配を行う時期のため、それ以降の草勢が強いと、
着果した実の肥大力が発揮されます。
紅孔雀は草勢の強さのバランスがとれているため、
着果後の肥大力がかなり強くなり、大きな実が収穫できる仕組みのようです。
紅孔雀は非常に秀品率の高い品種で、低温~高温まで対応できる上に、
奇形果や空洞果、ウルミ果の発生が少ないのが特徴です。
低温期の栽培では、生育不良から着果率が低下することも多いですが、
紅孔雀は雌花の着生や花粉の出が低温期でも良いため、
着果率を維持することができます。
また高温期での栽培では、ウルミ果や草勢が強く奇形果の発生が増えますが、
紅孔雀はそれらの発生も抑えられる性質を持っています。
肉質が硬めで果肉の色が明るいということもあり、
ウルミ果の発生が少ないだけでなく、果肉の劣化も遅いという特性があります。
色が明るいため、果肉が黒ずんだり色が濃くなりすぎることもなく、
カット販売にも向く品種となっています。
◎育てやすさの秘密は鈍感力
紅孔雀が大玉でかつ甘いスイカなのに育てやすいのには、秘密があります。
それが「鈍感力」です。
紅孔雀は他のスイカ品種に比べ、
天気や気温、水分、肥料、日照に対して鈍感な性質があります。
つまり、多少のことには動じず、本来の性質を出すことができる品種ということです。
近年、春~初夏にかけての異常気象により、
スイカ栽培では大打撃を受けることが増えてきました。
そのような環境下であっても、紅孔雀は持ち前の鈍感力を武器に、
ぐんぐん生長していくというわけです。
どのような状況でも、安定した生育状態と肥大性、収量性があるので、
安心して育てることができます。
■紅孔雀
◎特徴
・1玉8kg~10kgの大玉スイカ
・緑と黒の縞模様を持ち、色がやや濃いので模様がはっきりと出る
・果肉は硬めで鮮やかな桃紅色をしている
・糖度は13度と非常に高く、強い甘みと濃厚な旨みを持つ
・従来のスイカは、実の肥大が縦伸びした後に横に肥るのに比べ、
紅孔雀は全体が均等に肥大していく性質を持つため、形が正球形に整いやすい
・栽培初期~中盤はやや大人しく、ツルぼけしにくい性質で、
中盤~後半にかけて草勢が強まるため、肥大力を発揮できる
・低温期でも雌花の着生や花粉の出が良いため、着果率が高い
・奇形果や空洞果、ウルミ果の発生が少なく、秀品率が高い
・果肉が明るい色をしているため、カットした時の色が黒ずみにくく、
カット販売にも向く
・鈍感力を持つ品種で、天気や気温、水分量、施肥量、日照時間に、
生長を左右されにくく安定して育つ
・ハウス栽培、大型トンネル栽培、トンネル栽培など、
無加温栽培の比較的低温で栽培する作型に向く
・登熟日数は開花から45日ほどが目安となる
◎栽培のコツ
・基本の育て方は、一般の大玉スイカと同じ
・草勢が中盤以降に強くなるので、窒素過多にならないように注意する
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 収穫時期の見分け方