秋冬に食べるスイカ
スイカといえば夏をイメージしますね
実際、スイカは高温の環境を好みますし、
露地栽培では夏場に出荷することが多いです。
甘くておいしいスイカの栽培には、高い気温と長時間の日照が必要です。
暑い中で冷えたスイカを食べることで、涼を得ようとする目的もあるので、
秋冬のように気温の低い時期には、食べることはあまりないです。
ところが、最近の日本人の生活環境を考えると、
秋冬のスイカは贅沢なデザートのように思えます。
[秋冬に食べるスイカ]
■秋冬にスイカが食べたくなる?
外に出るだけで汗ばむくらい暑い夏に比べ、
秋は風もだんだんと爽やかで涼しくなってきます。
冬になれば風は冷たく、どちらかといえばよく冷えた果物より、
温かい飲み物の方が恋しくなります。
確かに外に出れば寒く上着が欠かせなくなりますが、室内はどうでしょうか。
秋や冬になってくると、室内では暖房を入れ始めます。
最近はマンションや一軒家に関わらず、床暖房やエアコン、
ガスや電気ヒーターにストーブなどを利用する過程が増えています。
特に床暖房やエアコン、オイルヒーターなどを使って、
部屋全体を暖めるような暖房器具も普及してきているため、
昔ほど部屋が寒くはありません。
建物の気密性も高まってきているので、隙間風に凍えることも減りました。
そうなると、秋や冬であっても室内は暖かい環境になっているはずです。
暖房器具を使用することで、空気が乾燥しがちにもなります。
すると、恋しいのは温かい飲み物ではなく冷たい食べ物ではないでしょうか。
以前から冬の寒い時期にコタツに入ってアイスクリームを食べるのが好き、
という方が多かったように思います。
それと同じように、冷えたスイカを食べて、乾いた喉を潤すことができます。
暖房器具によって火照った体も、スイカを食べることでスッキリとしますし、
スイカのもつ利尿作用になり、代謝の悪くなった体もめぐりが良くなります。
現代人の秋冬の過ごし方を考えると、スイカは最適なスイーツかもしれません。
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■秋冬にスイカを出荷するメリット
本来は旬が夏であるスイカを秋冬に生産して出荷するためには、
ハウスを利用した抑制・促成栽培が必要になります。
それでも地域によってはスイカが栽培するのが難しいこともありますし、
何よりハウスで栽培・管理する時の費用が上乗せされます。
上乗せした分を容易に回収するには、商品の単価を上げる必要があります。
それでもまかなえない場合は、品種を選定し、貯蔵性の高いものを育て、
出荷の時期を遅らせるといった方法もあります。
今までも夏以外にスイカがスーパーに並んでいることがありました。
けれど値段が高いため、頻繁に買うことはあまりないでしょう。
旬ではないため、味がのっていないと予想する人も多いようです。
しかし、ひと昔前には、夏野菜であるピーマンやトマト、ナスが、
年中スーパーに並ぶことが想像できなかったはずです。
現在は夏野菜であるピーマンやトマトが真冬にも流通しますし、
冬野菜のハクサイやダイコンが夏に流通しています。
こう考えると、冬に出回っているスイカもまずいとは限りません。
人間は不思議なもので、流通量が少ない希少性の高いものには、
少々無理をしてもお金を払うところがあります。
今まではおいしくないかもと思って手が出せなかったスイカも、
おいしいと分かれば食べたくなるものです。
スイカの需要と供給のバランスがとれるようになってくれば、
秋冬のスイカに力を入れる農家も増えてくるかもしれません。
農家の方の努力なしには、
おいしいスイカを秋冬に食べることはできません。
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■秋冬にスイカをうる販売するなら
実際に秋冬にスイカを買うとしたら、どのような形のスイカを買いますか?
まずは1玉丸ごとのスイカ。
大人数で食べたりするのに最適です。
冬なら冷蔵庫にわざわざ入れなくてもよく冷えるので、
冷蔵庫に入らないからと敬遠していた方にはお勧めです。
次に半分や三日月状にカットしたスイカ。
これもスイカの定番ですよね。
スーパーでは特によく見かける売り方です。
中に割れやうるみが出ていないか、色つやはどうかを確認して買えます。
冷蔵庫に入れやすいサイズなので、季節を問わずに購買層は広がりそうです。
最後がカップタイプのスイカです。
一口サイズにカットしたスイカを、透明の蓋つきカップに入れて売るスタイルです。
計算すると実は丸ごと1玉買うよりも割高ですが、一人暮らしの場合は気軽に購入できます。
一口大にカットしてあるので、包丁を出したり、手を汚さずに済むのも魅力的です。
この3種類の中で、意外と売れそうなのがカップタイプです。
丸ごと1玉は、人数が集まる時には売れるでしょうが、それ以外だと手に余ることもあるでしょう。
カットスイカも同様で、家族の中に食べたい人とそうでない人がいた場合、
夏よりも少量で済むことが多いように思います。
寒い台所に立ってカットする手間も省け、洗い物も減るということで、
カップタイプは手軽に買って食べられる利点が大きいように思います。
■秋冬に合うスイカ
カップタイプを前提として売る場合、やはり食べる時に食べやすいものが適しています。
それが種なしスイカです。
それから、カットした後に果肉が崩れることがないよう、
シャリ感が強く肉質が硬めのものが適してます。
すでにカットしているスイカを口に放り込んだ後、
種を気にしながら食べる必要がないのでとても楽です。
小さなお子さまと一緒に食べる時も、安心して食べることができます。
また、パーティーや集まりの場合も、口に含んだ後に種を出す行為を気にする必要もありません。
ただ、種なしタイプのスイカは、味や食感がいまいち好まれないのが現状です。
栽培する時、苗の値段も高く、農家からも敬遠されることもあるようです。
最近では、特定のスーパーと農家が提携し、
種なしでおいしいスイカの開発もしています。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方