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スイカ 葉枯れ症
あんどん仕立ての黒娘ここあ、着果した位置あたりの葉から、枯れてくる場合は葉枯れ症かもしれません
スイカを育てていると、突然葉が枯れてくることがあります。
しかもその枯れがだんだんと広がって、ついには株全体の調子が悪くなり、
実もあまり大きくならず栽培が終わります。
こういった葉が枯れる症状は、病気に感染した時にも起こりますが、
実は葉枯れ症という生理障害という可能性も高いのです。
スイカの葉枯れ症で出る症状やその原因、対策などをまとめました。
[スイカ 葉枯れ症]
■主な症状
・着果節位からの葉枯れ
葉枯れ症の特徴的な症状といえば、葉が茶色く変色し、
枯れてくるというものです。
ただ、葉枯れ症の場合、ツルのどの位置から枯れてくるのかというのが、
だいたい決まっています。
葉枯れ症の場合、実が着果した位置あたりの葉から、枯れてきます。
そこから徐々に広がり、上位や下位の葉にも広がっていきます。
この時、最初に葉枯れの症状が出た位置から、
葉枯れ症状が広がり、突然上位や下位から枯れてくることはほぼありません。
・葉巻き
葉枯れ症のもう1つの症状は、葉巻きです。
葉が枯れてくるのと同時に、葉の縁が上向きに巻きあがります。
この葉巻き症状も、葉枯れとセットになって起こるので、
着果節位付近から発生が見られ、その後徐々に広がっていきます。
■主な原因
・果実の急成長
葉枯れ症は、着果した実が急激に肥大することによって、
マグネシウム欠乏を起こし、出てくる生理障害です。
葉が枯れて巻きあがる症状が出るため、葉まき炭そとも呼ばれます。
スイカの実が肥大する時、葉に溜められたマグネシウムが実に転流していきます。
この時、葉に溜まったマグネシウム量が少ない、あるいは実の肥大スピードが早く、
マグネシウムの転流が間に合わなくなってくると、葉枯れ症状が出ます。
葉枯れ症は、接ぎ木苗で起こることが多く、
接ぎ木の中でも、ユウガオを台木にした接ぎ木苗で発生が多く見られます。
■対策
・台木の選択
スイカを栽培する時、苗は実生苗か接ぎ木苗か選択します。
畑の状態や好みによって、どちらを選んでも構わないのですが、
接ぎ木苗を選ぶ時は、台木に何を使っているのかに注目しましょう。
スイカの台木として、ユウガオとカボチャがあります。
この2つのうち、ユウガオを台木に選ぶと、
カボチャよりも葉枯れ症が出る可能性が高くなるので、
カボチャが台木の接ぎ木苗を選びます。
・マグネシウムの施用
マグネシウムが欠乏することでも、葉枯れ症の症状がでてきます。
マグネシウムを含む資材を、土作りの段階で入れたり、
着果する頃にマグネシウムを追肥することで、マグネシウム欠乏を防げます。
土作りの段階で使うなら、苦土石灰がお勧めです。
苦土石灰の苦土とは、マグネシウムを指します。
ホームセンターなどでも市販されていますし、
ほどよくマグネシウムを補うことができるので、お勧めです。
また、着果して肥大してくる頃や葉枯れ症状が軽く見られた時に、
マグネシウムを与えるのも効果的です。
与える時は、土へ潅注するのではなく、葉面散布しましょう。
マグネシウムは葉からの転流が多いため、
根から吸うよりも葉面散布の方が効率的です。
硫酸マグネシウム1%~2%の液を散布しましょう。
■判断基準
葉枯れ症は、最初は気にならない程度の症状ですが、
広がってくるととても厄介です。
手遅れにならないうちに、対処しておきましょう。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培