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スイカ 変形果
変形している縞王
スイカがようやく着果し、少しずつ実が大きくなってきた頃、
実に異変が起きることがあります。
本来は楕円や球形になるはずのスイカの実が、
どこかいびつな形になることがあります。
このように変形したスイカの実を、変形果と呼びます。
スイカの変形果は、はぜ起こるのでしょうか。
[スイカ 変形果]
■主な症状
・実の変形
変形果のおもな症状は、実の変形です。
変形の仕方は一定ではなく、片方だけが膨らんだような形になったり、
扁平な形になったり、その時の栽培状態や変形した理由などによって、
形は様々です。
実以外に症状が出ることはありません。
■主な原因
・低節位着果
変形果が起こる原因はいくつかありますが、
その中でも多いのが、低節位に着果させたことによる変形です。
スイカは、13節~15節以上の雌花に着果させるのが望ましい、といわれています。
これよりも低節位に着果させると、雌花がまだ充実していないということが多いため、
着果がうまくいったとしても、実の肥大がキレイにできず、変形果となります。
低節位に着果したスイカ
・低温に当たった
変形果が起こる原因の多くが、未熟な雌花への着果です。
低節位での着果もそうですが、それ以外だと、
花芽分化時に低温に当たったことが考えられます。
花芽が分化する時に低温にあたると、
正常な雌花が形成されにくくなるため、変形果の発生が増えます。
この場合は、低節位への着果でなくても、変形果となります。
・その他
雌花の異常以外にも、変形果の原因はあります。
雌花に花粉をつけて受粉した後、
しばらくすると雌花のすぐ下にあった子房が膨らみ始めます。
子房は徐々に膨らんでいきますが、ある程度の大きさになった時、
横に倒れた状態になっていると、変形果となる場合があります。
おそらく、実が横になっている分、皮が均等に伸びにくくなり、変形するのでしょう。
ヘタ部分を上に向けた時、左右どちらかがゆがんだようになっていたら、
皮が均等に伸びず、変形してしまったと考えられます。
スイカ好きです!
■対策
・作型の選択と保温
スイカは高温を好む植物です。
低温に当たると、変形果の発生だけでなく、色々な不調が起こります。
家庭菜園で楽しむのであれば、5月以降に着果させるような作型を選びましょう。
また、育苗中や定植直後は、気温の低下が起こりやすいので、
トンネルや簡易ハウス、ホットキャップなどを使って、うまく保護しておきましょう。
・15節~20節に着果
良いスイカの実を着果させるなら、
15節~20節の間に着果させるのがお勧めです。
これよりも低節位だと、まだ株が充実していないため、
着果後の肥大性が悪くなります。
20節目以降になると、着果の時期が遅くなるため、
肥大に問題がなくても、良い時期に収穫が間に合わなくなります。
無事、狙った節位で着果させることができたら、
着果した実が大きくなってきた頃、ヘタを上向きにしてあげましょう。
ヘタを上向きにしておくと、皮の伸びが均等になりやすく、変形果を防げます。
実があまり小さいと、ヘタを上向きに置き直してもすぐ倒れるので、
ソフトボールくらいの大きさになった頃にすると良いです。
吊り栽培は比較的変形しにくいです
■判断基準
変形果となっても、見た目が悪いだけで、食味に問題ないことが多いです。
ただ、中には食味も悪くなっているものもあるので、
できるだけキレイな形に育てるのが理想的です。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培