人気の投稿とページ
スイカ 土壌消毒の弱点
土壌消毒の弱点とは?
スイカを健康な状態で収穫まで育てるためには、病害虫の予防が大切です。
特に病気にかかると、場合によってはそのまま枯死することもあります。
病気を予防するために、苗を植え付けた後の管理を徹底することが大切です。
加えて病気の発生経験のある土地や、毎年スイカを育てる場所には、
病気の原因菌が集まっている場合があるため、土壌消毒も必要となります。
土壌消毒には、薬剤を使ったものや有機質なものを使ったもの、
それから太陽熱など自然のものを使った消毒もあります。
ただ、消毒を行えば絶対に大丈夫というわけではありません。
消毒を行っていても、病気にかかることはあります。
では、スイカなど野菜の土壌消毒の弱点とは、いったい何なのでしょうか。
[スイカ 土壌消毒の弱点]
■土壌消毒は万能ではない
スイカの土壌消毒をする時に使うものは、人それぞれです。
消毒用の薬剤を使う人もいれば、米ぬかやフスマなどを使う人、
そういったものを使わず、熱による消毒を行う人などなど。
どういった消毒を行う場合でも、消毒を行う目的は、
病気の原因となる菌などを滅菌・減菌することです。
けれど、1つのパターンを使って消毒できる菌の種類は、それほど多くありません。
薬剤が一番強そうですが、薬剤で殺菌できるものとできないものとがあります。
例えば、黒点根腐れ病という病気がありますが、この病気の原因菌は、
体の表面を硬い殻のようなもので覆ってしまうため、
乾燥や高温に耐えられるようになっています。
そのため、熱消毒では黒点根腐れ病の原因菌は殺せない、
あるいは極端に効果が少ないということになります。
耕運機も万能ではないようです
■消毒できる深さ
庭でスイカなど家庭菜園をしている場合、土を耕したとしても、
せいぜい深さ30cmほどであることが多いかと思います。
農家などであっても、だいたい15cm~20cm、
深くてもやはり30cmくらいまでということが多いでしょう。
使う道具により制限されてしまいます。
家庭菜園であれば、クワやスコップを使って耕します。
畑であれば、クワなども使いますが、
敷地が広ければ耕運機などを使ってということになります。
農業用の機械を使って耕したとしても、
爪の長さが決まっているため、それより深くは掘ることはほとんどありません。
土壌消毒をする時、土に薬剤などを混ぜ込んで消毒する場合、
効果があるのは土がほぐれている部分や薬剤と混ざっている部分のみです。
そのため、クワやスコップ、ロータリーの爪が入っていかない深い場所には、
薬剤が効かないということになります。
つる割れ病を引き起こすフザリウムは、
意外と深いところにまでもぐっていることがあります。
深いところに残ってしまったフザリウムや、センチュウ類は、
天敵がいないため、消毒後に急速に増殖することがあるので注意が必要です。
■消毒のタイミング
スイカ栽培の土壌消毒を行うのであれば、タイミングが大切です。
植え付け時期に近づけば、それだけ薬剤が残ってしまう可能性が高くなります。
そういったことをできるだけ避けるため、ある程度余裕をもって消毒する必要があります。
では、消毒は早ければ早いほど良いかというと、そうではありません。
スイカ栽培後、枯れたツルなどを片付けてからすぐに消毒をしたのでは、
効果がほとんど出ない場合があります。
厳密にいうと、効果が出ないというよりは、消毒した後で繁殖することがあるのです。
病気の原因となる菌もそうですが、センチュウ類が特に厄介です。
センチュウは植物の根に寄生して養分を吸い、繁殖して増えていきます。
センチュウが寄生している根を、残らず土から取り除ければ良いのですが、
現実的には、取り除くことはできません。
細かい根は残ってしまい、そこに寄生しているセンチュウも残ることになります。
ツルなどを片付けてからすぐに消毒をしても、
土の中に残った根の中にいるセンチュウまでは届きません。
結果として消毒後、薬剤が抜けてからも繁殖してしまうため、
消毒の効果が得られないということになります。
強い薬剤を使うからといって、消毒をいつ行っても良いわけではないのです。
*この項、続く
>>スイカ 土壌消毒の弱点
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 収穫時期の見分け方