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スイカ 高温障害
元気に育つスイカの苗
スイカは、夏野菜の中でも比較的高温を好む植物です。
そのため、スイカ栽培では低温は避けるように書かれていることが多いですが、
実は高温すぎる環境も、スイカにとって良くありません。
スイカが高温障害になると、どのような症状が出るのでしょうか。
また、その原因や対策もまとめました。
[スイカ 高温障害]
■主な症状
・葉の白化と縮れ
スイカが高温障害になると、まず葉の白化が起こります。
他の生理障害でも、葉が白化することはありますが、高温障害の場合は、
葉脈から白くなるのが特徴です。
葉脈全体が白くなっていくとともに、葉脈間も白っぽく色が抜けていきます。
また、葉が縮れたようになることもあります。
特に、育苗中に高温障害となった場合は、
葉の白化よりも先に、葉の縮れが出ることが多いようです。
ただ、軽いや白化や縮れ程度であれば、その後の栽培環境が改善されれば、
新葉以降は正常な葉が出て、生育も戻ります。
・壊死と枯死
高温状態が続くと、白化や縮れだけでなく、生育不良も起こるようになります。
さらに、葉の白くなった部分が薄い褐色に変化していきます。
葉の褐色になった部分は、すでに壊死した状態となるため、
ひどくなれば落葉することもあります。
その後も環境の改善がみられなければ、壊死する葉は1枚2枚と増えていき、
生育不良もひどくなって、いずれは枯死します。
スイカは高温を好むからといって、
気温がどれだけ高くても平気というわけではないのです。
外気が上がりトンネルの換気をせずにいると、高温障害になりやすい環境となります。
■主な原因
・トンネルやハウスの換気不足
スイカ栽培を行う時、低温にあてないようにするため、
トンネルやハウスを利用する場合が多いです。
夏収穫の作型であっても、栽培初期は気温が低いこともあるため、
トンネルほどでなくても、ホットキャップなどの保温資材を使うことがあります。
こういった保温の環境は、低温にあてないようにするのには有効ですが、
いざ外気が高くなった時には、換気をすることが大切です。
春は天気によって、日中の気温が変わりやすいです。
晴れた日の日中、外気が上がれば、トンネルやハウスの中も温度が上がります。
この時、換気をせずに放っておくと、
どんどん温度が上がって高温障害になりやすい環境となります。
・異常気象
近年は、温暖化の影響か異常気象が多くなってきました。
例年よりも高い気温の日が続くこともあり、
さらに雨がなかなか降らず地温も下がらないといったことも多いです。
異常気象により、トンネルやハウスでの栽培でなくても、
酷暑日が続くことで、高温障害になる可能性が高くなります。
■対策
・適度な換気をする
トンネルやハウス、ホットキャップなど、
保温できる環境で栽培している場合は、適度な換気を行いましょう。
換気をすることで、高温になりすぎるのを防ぐとともに、
湿度が高くなりすぎるのを防ぐこともできます。
トンネルの場合は風下側の裾をあけ、ハウスなら開口部を開け放ったり、
裾をまくしあげたりといった方法があります。
ホットキャップの場合は、ホットキャップ自体をはずす方法が一般的です。
ただし、日が暮れてくると気温が急激に下がることもあります。
気温が十分に上がって、急激な低下がほぼなくなるまでは、
夜間の冷え込みに注意し、必要であれば元の保温状態に戻しておきましょう。
・遮光や通風の確保
トンネルやハウスではないけれど、気温が高すぎる場合は、
風通しを良くするか、軽い遮光をするのがお勧めです。
風通しが悪いと、どうしても空気がこもって温度も高くなりやすいので、
風通しの良い環境を整えておきます。
また、スイカは日当たりの良い環境を好みますが、
気温が高くなりすぎる場合は、軽い遮光をするのがお勧めです。
地温を上げないようにするためなら、敷きワラなどのマルチをツルの下や株元に敷き、
直射が当たらないようにします。
株全体を遮光するなら、遮光ネットなどを使うと良いでしょう。
ただし、一日の大半を日陰にすると、温度は上がりにくくなるものの、
日照不足になる可能性が高くなります。
できれば、夕方の西日のみを遮るのが一番ですが、
日中も遮光するのであれば、遮光率があまり高くないものを選ぶなど、
日照不足にならない工夫が必要となります。
■判断基準
生理障害やスイカがかかりやすい病気の中には、
葉の白化や壊死、落葉といった症状が出るものがあります。
それらと高温障害が異なるのが、葉の白化が葉脈から起こることと、
環境を整えることで、症状がすぐに改善されることです。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培