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スイカ マグネシウム欠乏
マグネシウム欠乏症の植物 C)パブリックドメイン
スイカが生育するために必要な養分は色々あり、
どれが欠けても不調の原因となります。
基本となる窒素・リン酸・カリ以外にも、微量成分と呼ばれる成分があり、
その中のマグネシウムも、スイカには必要な養分です。
マグネシウムが不足してマグネシウム欠乏になると、
スイカにはどのような症状が出るのでしょうか。
マグネシウム欠乏の原因や対策は、何かあるのでしょうか。
[スイカ マグネシウム欠乏]
■主な症状
・葉巻き症状
スイカがマグネシウム欠乏になると、葉巻き症状が出ます。
葉の縁から上向きに巻きはじめ、ひどい時には巻きすぎて筒状になることもあるほどです。
マグネシウム欠乏の症状は中位～上位の葉に出やすいのが特徴です。
・黄変と葉枯れ
葉巻き症状とともに出やすいのが、葉の黄変と葉枯れの症状です。
葉が黄変する場合は、下位葉から始まることがあり、葉全体の色が薄くなります。
また、黄変が出なくても、葉脈間に褐色の斑点が出ることもあります。
症状が進むと、褐色の斑点も徐々に大きく広がり、最終的には葉枯れ状態となります。
■主な原因
・カリウム、カルシウムが多い
スイカ栽培の中でマグネシウム欠乏になる原因は、
土中にマグネシウムが足りない場合だけではありません。
土の中にマグネシウムが含まれていたとしても、マグネシウム欠乏になることがあります。
その原因となるのが、カリウムやカルシウムが多く含まれている時です。
カリウムやカルシウムが土の中に多く含まれていると、
マグネシウムがきちんと土中に存在していても、スイカが吸収できません。
その結果、マグネシウム欠乏となります。
・需要と供給のバランス
スイカは、株自体が生長する時にもマグネシウムを必要としますが、
特に実が肥大する時にマグネシウムを消費します。
なので、実の肥大スピードと根がマグネシウムを吸収する量のバランスが悪いと、
マグネシウム欠乏を引き起こします。
実の肥大によってマグネシウム欠乏が起こった場合、
着果位置付近から上位にかけて症状が出やすくなります。
■対策
硫酸マグネシウム C)日本農業システム ←水にも溶けやすく葉面散布にも
・応急処置
マグネシウム欠乏の症状が出ていることが分かったら、
応急処置として葉面散布がお勧めです。
硫酸マグネシウム1％～2％の水溶液を、スイカの葉面に散布します。
マグネシウムは根からだけでなく、葉からも吸収することができるため、
葉面散布をすることで早めの回復が期待できます。
・肥大期にマグネシウムを追肥
通常の管理中も追肥は行いますが、実が肥大する時期は、
急激な肥大に根からの吸収が間に合わないことがあるので、注意が必要です。
特に問題がなければ良いですが、少しでもマグネシウム欠乏の兆候が見られるのであれば、
肥大期に合わせてマグネシウムの追肥を行いましょう。
・苦土石灰を利用する
土作りの段階で、石灰を入れることはよくあります。
石灰を入れることで、カルシウムの補給と酸度の調整ができるのですが、
実は石灰にもいくつか種類があります。
マグネシウム欠乏を起こしたことがある、あるいは心配な場合は、
石灰の中でも苦土石灰を利用するのがお勧めです。
苦土石灰の苦土とは、マグネシウムを指しています。
つまり、マグネシウム入りのカルシウムをまいているのと同じなのです。
苦土石灰であれば、無理なくマグネシウム補給ができるので、家庭菜園にもお勧めです。
■判断基準
マグネシウム欠乏は、葉に症状が出るので、普段からよく観察しておきましょう。
マグネシウム欠乏は、別名「葉巻き炭疽」と呼ばれることがあります。
スイカがかかる病気の中に、炭疽病というものがあり、
暗褐色の病斑がマグネシウム欠乏の褐色斑と煮ているため、そう呼ばれています。
この2つの違いは、病斑の広がり方にあります。
炭疽病の場合、病斑は葉脈と関係なく広がっていくのが特徴です。
それと比べ、マグネシウム欠乏の褐斑は、葉脈を残して広がります。
褐斑が広がってきた時、葉脈が残っているか残っていないかで、
マグネシウム欠乏か炭疽病かを区別することができます。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培
