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ペピーノ
ペピーノ
ペピーノ(pepino)という植物を見たことがありますか?
最近ではホームセンターで実付きや花付きの鉢物が販売されていたり、
ポット苗が並んでいることもあります。
アンデス地方が原産のペピーノの特徴と育て方のコツをご紹介します。
[ペピーノ]
◎スイカ? メロン?
ペピーノという名前は、まだあまり知名度が高くありませんが、
店舗やネットショップで、苗や鉢物が並ぶことも増えてきました。
販売時の樹高は、20cm~50cmくらいのものが多く、
中には縞模様の実がいくつかぶら下がっているものもあります。
果実の外見は、スイカのようなメロンのような、
縞模様のあるナスのような、少し不思議な姿をしています。
流通している品種がいくつかあり、
たいていは黄色っぽい実に紫色の縞模様が入っています。
品種によって色や模様が少しだけ異なります。
果実が熟す前の状態だと、真っ白な実がついていることもあります。
縞模様がはっきりと出た頃が完熟とされていますが、
中には完熟になると縞模様が薄くなるものもあるので、
一概に縞模様が目安になるということでもないようです。
味はスイカやメロンのような、甘みのあるウリのような味や、
甘さが控えめの洋ナシのような味がしますが実はナス科の植物です。
育つと樹高が1メートルにもなります。
甘みの強弱は、栽培法や環境、季節、熟度などによって異なりますが、
それほど強い甘みはないようです。
生食するのが基本で、半分に切りスプーンですくって食べるのが一般的です。
甘みが薄い実は、スライスしてサラダに入れたりするのがお勧めです。
また、メロンと同じように、生ハムと一緒に食べるのもおいしいです。
◎多年草なのに一年草
ペピーノは本来、多年草の植物です。
ところが、高温にも低温にも弱い性質があります。
特に低温に弱く、戸外で越冬するのはまず無理なため、
日本では一年草として扱われることも多いようです。
もちろん、冬の間は室内に取り込むなどして、寒さに当てずに管理すれば、
多年草として育てることもできます。
ペピーノがよく育つのは、18度~24度とかなり狭い温度帯です。
それよりも低くなったり高くなったりすると、
生育が鈍くなって花が咲かなくなります。
低温は5度くらいまでは耐えられるので、本格的に寒くなる前に、
全体的に剪定を行い室内に取り込めば、越冬はそれほど難しくはありません。
夏の高温も苦手なので、真夏は半日陰などの場所に移動させ、
涼しいところで管理するようにします。
本来ペピーノは日当たりの良い場所を好みますが、
気温が高くなると生育が鈍りますし、花付き・実付きも悪くなるので、
半日陰くらいでも枯れることはありません。
むしろ気温が高く、暑さで枯れることがあるので、注意が必要です。
◎育て方はナスと同じ
基本的には育て方は、実はナスによく似ています。
苗などが販売される時期も、ナスの苗が出回る時期と同じくらいです。
日当たりと風通しが良い場所で、水はけの良い土を使って植え付ければ、
栽培自体はそれほど難しくはありません。
水切れに注意し、夏には涼しい場所へ、冬には冷え込まない場所で管理します。
仕立て方もナスとよく似ています。
自然に任せて枝を伸ばすと、過繁茂になって風通しが悪くなるため、
2本~3本の主枝を決めて仕立てるのが一般的です。
余分なわき芽が伸びてきたら摘み取るようにします。
一か所に複数の実がつくことがありますが、あまり多くの実を一度につけると、
株が疲れやすくなるので、数の調整をするようにしましょう。
実がつき始めたら、2週間に1回のペースで追肥をすれば、
肥料切れを防ぐことができます。
実がついていない時期や、株全体の生育が緩慢になる真夏や真冬は、
追肥はしなくても良いです。
品種としては、ゴールドNo.1、ミスキ、ハローイブニング、ロイヤルなど、
10品種くらいが、日本で入手できるようです。
ペピーノの苗 C)ガーデニングshop岐阜緑園
■ペピーノ
◎特徴
・樹高が1メートル~2メートルになるナス科の植物
・縞模様のある大きな卵のような実をつける
・実の大きさは8cm~13cmほど
・味はメロンやスイカのような甘みのあるウリ、あるいは甘さが控えめな洋ナシのような味わい
・果肉はけっして柔らかくはないが、ナスよりはジューシー
・甘みの度合いは育てている環境などによって異なる
・甘みが薄いものはサラダなどにして食べるのがお勧め
・アンデス地方の涼しい気候を好む
・生育温度は18度~24度
・低温は5度まで耐えるが、戸外での越冬は不可能
・冬は室内にて越冬し、夏は半日陰の涼しい場所に置く
・花は初夏~秋にかけて咲くが、真夏は気温が高いので着果が難しい
◎栽培のコツ
・栽培法はナスによく似ている
・苗を購入した場合は、水はけの良い土で植え付ける
・実付き、花付きの鉢物を購入した場合、鉢が小さすぎると感じたら鉢増しをする
・主枝を2本~3本に決めて仕立てる
・余分なわき芽は順次摘み取る
・生育期は水切れに注意する
・実がつき始めたら、2週間に1回追肥を行う
・実が肥大したあと、熟すと縞模様がはっきりするものと、縞模様が薄くなるものがある
・冬越しのために室内取り込む場合は、取り込む前に剪定をして株全体を小さくしておく
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 収穫時期の見分け方