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スイカと購買意欲
スロベニアの朝市
目の前にあるスイカが良いスイカかどうか、
見た目だけで判断するのはなかなか難しいものです。
家庭菜園であれば、育てるのも食べるのも自分とその家族くらいなので、
多少味や見た目に欠点があったとしても、気になりません。
むしろその欠点が家庭菜園ならではということで、
愛おしいスイカなることさえもあります。
ところが、これがお店で買ったスイカとなると話は別です。
実際に買おうと思っているスイカの実をくりぬいて試食することは、きません。
消費者が見て買うことを促すためには、
お店や農家側はどのような努力をしているのでしょうか。
[スイカと購買意欲]
■スイカの判断基準は?
スイカを購入する時、何を基準にして良い悪いを決めていますか?
ひと昔前までなら、スイカは1玉まるごとで買うことが多かったと思います。
けれど現在では、核家族化が進んだことにより、
スイカを丸ごと買うよりも、カットスイカを買うことの方が多くなっています。
友達や親戚が集まると分かっている日はともかく、
それ以外の日はカットスイカを買っているという人も、多いそうです。
スイカを丸ごと買う時は、目前のスイカが甘いか、実が詰まっているかを、
音で判断している方は多いと思います。
スイカの実を叩いてみて、音が高いか低いか、
音がすんでいるか濁っているかで判断するという方法です。
この方法は、スイカ農家の方など、音を聞き分けることに慣れていれば、
高確率でおいしいかどうかを判断できますが、素人ではなかなか難しいものです。
実際、音で判断して買ってみたけれど、家に帰って切ってみたら、
中がスカスカだったり、甘みが薄かったということもあるかと思います。
スイカを切らずに判断する時には、
音以外にも縞模様の具合であるとか、表面の凹凸の有無などがあります。
けれどどれもはっきりとした判断基準というわけではありません。
あくまでも「こうであればおいしいものが多い」というだけであって、
絶対に甘い、おいしいとは言い切れないのです。
家庭菜園でスイカを育ててから、スイカにうるさくなりました(笑
■品質を見える化する
では、どうすれば100%の確率で甘いスイカを見分けることができるのか?
目で見て判断するのは、やはり素人には難しいことですので、
最近ではスイカのおいしさを数値としてはっきり示すようになってきました。
スイカを買う時に気にするのは、やはり甘さですよね。
この甘さをはっきりとした数値で示しているのが、糖度です。
スーパーなどで売られているスイカのうち、
すでに半分や四分の一などにカットされているスイカがあります。
こういったスイカの場合、表面のラップの上から、
糖度が書かれたシールが貼られていることがあります。
11度や12度と書かれているのは、糖度を示しています。
この糖度が高いほど甘いスイカということになるので、
並んでいる商品の中で、どれが甘いスイカなのかは一目瞭然になります。
甘いスイカが好みなら糖度が高いものを、
さっぱりとしたスイカが好みなら糖度の低いものを選べば、
自分好みのスイカを選ぶことが可能になります。
カットスイカは、小家族でも気軽に買うことができます
■購買意欲を誘う工夫とは?
はっきりと数値で糖度が示されのも、消費者にとっては嬉しい判断基準ですが、
数値以外にもこのスイカを買いたいなと思うきっかけがあります。
それは見た目です!
スイカの場合も同じで、形が悪ければ良いというわけではありません。
やはり消費者側からすれば、見た目も味も良いものが理想的です。
どうしても見た目がおいしそうであれば、実際の味がどうであっても、
店先でスイカを目にしたその時に、購買意欲が湧いてきます。
この購買意欲は、強力な動機となり、
お店に到着した時には、スイカを買う予定がなかった人でも、
おいしそう! と思えば購買意欲が湧き、最終的には購入に至ります。
つまり、購買意欲が湧くような工夫をすることで、
並んでいる商品が売れる可能性が高くなるというわけです。
購買意欲を促すポイントは、価格や味など様々ですが、
やはり見た目が、とても重要となってきます。
見ておいしそうと思えるものは、買ってみようという気になるものです。
スイカの場合、見た目で気になるのはやはり表面の皮と中の果肉の両方です。
日本人がイメージするスイカそのものである縞模様に、
真っ赤な果肉と黒い種、これがキレイに見えるものに惹かれるのでしょう。
特に中の果肉の色は重要です。
実際に食べれば、おいしいスイカでも、
果肉の色が悪ければ買う気が起きない場合もあります。
そのため、鮮やかな赤色の果肉をもったスイカが有利になります。
スイカの果肉の色は、品種によって少しずつ変わります。
そういった点からも、プロが育てるスイカの品種、
取り扱うスイカの品種に気を配る必要があります。
スイカがおいしい状態で消費者の口に入るため、
スイカの新鮮度を維持することはもちろんですが、
購入してもらう意欲を誘うためにも、陳列、カットの仕方、ラベル、ポップの作り方など、
さまざまな工夫がこらされています。
これからも私たち消費者の生活形態が変わるとともに、
スイカの販売形態や品質を示す方法も変化していくのかもしれません。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 収穫時期の見分け方