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スイカ ホウ素欠乏
スイカの葉が巻いてくるのは心配です
スイカ栽培中になんらかのトラブルや不調があり、
そのまま回復できないままに枯れてしまうこともあります。
不調の原因は色々ありますが、ホウ素と呼ばれる微量要素が足りないために、
ホウ素欠乏を起こして不調になることがあります。
ホウ素欠乏を起こした時の症状や原因、対策などをまとめました。
[スイカ ホウ素欠乏]
■主な症状
・節間が短くなる
ホウ素が足りない状態になると、スイカに異変が起こります。
スイカを見ていると分かりますが、葉と葉の間の節間は、適度な距離感があります。
節間が流すぎると、徒長と呼ばれる状態のため、あまり良くありません。
けれど、反対の節間が短い状態も、良い状態とはいえません。
ホウ素欠乏になると、節間の伸びが悪くなるため、極端に節間が短くなります。
伸びが悪くなるのは、組織が硬くなるためなのか、見た目もどこか硬い印象になります。
葉色も濃くなり、詰まっているように見えます。
また、土栽培で見ることはできませんが、根の伸びも悪くなります。
・葉が巻いてもろくなる
ホウ素欠乏のもう1つの目立つ症状が、葉の巻きと茎葉の弱りです。
スイカの葉色が普段よりも濃くなり、さらに葉が裏側に巻く症状が見られるようになります。
葉が裏側に巻く様子から、落下傘型と呼ばれますが、このような状態になったら、
ホウ素欠乏と考えて間違いないでしょう。
さらに、葉の巻きに加えて、葉やつるの組織がもろくなり、すぐに折れるようになります。
スイカ栽培では、誘引やつる回しといった作業が不可欠です。
つるを乱暴に扱えば、健全な状態でもつるが折れることはあります。
けれど、ホウ素欠乏となっている時は、乱暴に扱っていなくても、
つるが折れたり葉が崩れたりといったことが起こります。
中には、何もしていないのに、つるが割れるといった症状が出ることもあります。
■主な原因
・ホウ素が足りない
ホウ素欠乏の原因として最も考えられるのは、
単純に土の中のホウ素が足りていないことです。
ホウ素を含む肥料や資材を適度に投入していれば、ホウ素欠乏が起こることは少ないです。
ところが、栽培中のホウ素要求量が多い植物を育てた場合は、
思っているよりもホウ素が足りなくなっていることがあります。
ダイコンやカブなどは、ホウ素の要求量が他の野菜よりも多いので、
栽培後にホウ素欠乏を起こしやすくなることがあります。
・アルカリ性土壌
スイカを栽培している土が、アルカリ性の場合も、ホウ素欠乏を起こしやすくなります。
土がアルカリ性になっていると、スイカの根がホウ素を吸収しにくくなります。
それによって、ホウ素欠乏が起こりやすくなるのです。
・土の乾燥
極端に土を乾燥させるのも、ホウ素欠乏を助長させます。
土の乾燥は、ホウ素以外の要素の吸収も阻害する可能性があるので、注意が必要です。
■対策
・ホウ素の補充と酸度調整
ダイコンやカブなど、ホウ素が減りやすい植物を育てた後は、
意識的にホウ素を補充しておきましょう。
あるいは、ホウ素要求量が多い植物を育てる時は、
ホウ素が多めに含まれている肥料を使うなどして、工夫しましょう。
また、土がアルカリ性にならないよう、土作りの時に加える石灰類の量を調整します。
日本は雨が多いため、土は酸性になりやすいといわれています。
ところが、周りの環境やそれまでに使った資材の種類や量によって、酸度は変わってきます。
不安な場合は、一度土の酸度を計測してみましょう。
スイカは乾燥に強い植物ですが、良い状態に育てておいしい実を収穫するためには、
極端な乾燥は避けるようにします。
もちろん過湿は良くありませんが、過乾燥も良いことはありません。
栽培中は適湿を心がけ、極端な過湿や乾燥は避けましょう。
■判断基準
葉が落下傘型になる症状は、カルシウム欠乏でも見られます。
ホウ素欠乏の場合、葉の黄変が見られないことで、見分けることができます。
ホウ素欠乏の場合、どちらかというと葉色が濃くなりますし、
節間が短くなって全体が硬い印象になります。
■参考
・スイカ 地植えの育て方
・スイカ プランターの育て方
・スイカ 鉢での育て方
・小玉スイカ 地植えの育て方
・小玉スイカ プランターの育て方
・スイカ 吊り栽培